――入社後はどんな仕事を?
入社後は半年間、工場で研修を受けました。製品がどのように量産されているのかを学ぶためです。
秋になって研究部に配属。先輩に付いて、製品開発の手伝いをしました。それから1年経ち、担当製品が決まり、ようやくひとり立ちで製品開発に取り組めるようになりました。


――開発するのはどんな製品?
「アートパール」「ハイパール」という根上工業ブランドの製品、その新バージョンです。
アートパールは樹脂や塗料の表面加工に使われ、触り心地の改善などに使われます。ハイパールは半導体製造の工程での薬剤などに用いられます。
通常、製品は液状なのですが、私がやっているのはパウダータイプの開発。粉状にすることで軽量化し、輸送もしやすくなるからです。
――開発は今、どんな段階ですか?
開発は①ラボスケール、②パイロットスケール、③量産の順番で進んでいきます。
今はラボスケールでの開発が終了。200ℓ程度のパイロットスケールでの試作段階です。ここで量産へのレシピを整え、3年後には市場への供給を始めたいと考えています。

――職場の環境は?
私が所属しているチームは6名。コンパクトな体制です。その中の2人の先輩が、チューターとして私を指導してくれます。1人は2歳年上、もう1人は5歳上。優しい先輩たちで、丁寧に指導してくれますし、同世代なので話しやすく、相談もしやすいですね。

――開発の仕事をやってみて、どうですか?
これまでにない新しいモノを作る、という仕事は楽しくて面白い。試作した製品が性能を満たしているか、検査装置にかけて物性評価するのですが、その時は本当にワクワク、ドキドキします。先月もラボで試作実験をしたのですが、その時のテーマは製品粒子を数ミクロン帯で一定の大きさに揃えること。検査機で検証した時のあのドキドキ感! 狙い通り行ったときの達成感、充実感は、何ものにも代えがたいですね。
――開発の仕事をやってみて、どうですか?
私の場合、就活のテーマは「地元・石川で働く」「化学系の仕事」というシンプルなものでした。そこで検索して出てきた会社のひとつが、根上工業でした。
公務員をしている父に相談したら根上工業のことを知っていて、「環境ボランティアなど地域活動に熱心に取り組んでいる会社」「待遇もいいらしいぞ」と。それで俄然興味が湧いて、会社訪問に。
社員の方々と実際に接してみて「ここなら長く勤めることができそう」と思ったから。実際に入社して、父の評価も自分の直感も、正解だったと思っています。


